コーヒーの淹れ方(ペーパードリップ)
日本で最も普及していると思われる淹れ方です。抽出方法としてはきわめて合理的で衛生的な方法です。使用する器具もドリッパー・ペーパーフィルター・サーバー・ポット・メジャースプーンと少なくてすみます。
ドリッパ(一種の漏斗)にペーパーフィルタをセットし、粉を入れ適量の湯を注ぎ、30秒程度蒸らした後に抽出を開始します。
ドリッパの湯が完全に切れる前に外すと雑味の無いコーヒーができあがります。
前述の手順さえ守れば誰でも一定水準のコーヒーが淹れられるのがこの方式の最大の利点といえるでしょう。
ペーパードリップの方法は、1908年にドイツ人女性メリタ・ベンツが考案したものです。
抽出穴が1つのメリタ式と3つのカリタ式が存在し、本来は最適なメッシュ(挽き具合)が異なるとされています。一般的に、メリタの方が細挽きで抽出されます。
抽出法の違いは、メリタ式が杯数分の湯を全量フィルターに投入し滴下しきるのを待つのに対し、カリタ式は湯を投入し続け、フィルタの下のデカンタに杯数分滴下した段階でフィルタをはずし、フィルタ内の抽出中の湯(コーヒー)は廃棄します。従って、カリタの方が経験を要し、味のぶれる要素は大きいとも言えるでしょう。
◎メリタ式でのドリップ手順
1.ペーパーフィルターの側面の折しろを折り、底部の角を指で押しつぶす。
2.フィルターをドリッパーにセットし、指でフィルターを押し付けて空気を抜き、安定させてからコーヒー粉をいれる。
3.粉は一人前約10gが標準。一人増えるごとに7~8g足していく。軽く振って粉面を平らにする。
4.ポットの上を持って、数滴の湯を静かに入れる。
5.高さは粉面から3~4cmぐらいで、なるべく粉面の中央に注ぐ。
6.サーバーにコーヒーが数滴落ち続けるような具合に加減して注ぐ。
7.ハンバーグ状に粉が膨らんできたら蒸らしに入る。(そのまま少し待つ)
8.20~30秒蒸らしたら2回目の注湯を開始する。「の」の字を粉面上に書くように細めに湯を注ぐ。
9.粉がへこんで、湯がサーバーに落ちきる手前の状態で3回目の注湯を行う。
10.湯は平均してめぐらせていくが、粉の周辺部に湯を注ぐと濾過層が崩れるので注意。
11.ほとんどのコーヒーの成分は3回目の注湯までで抽出されるので、4回目の注湯で濃度の調整をする。
12.サーバーの目盛りまでコーヒーが入ったら、ドリッパー上に湯が残っていても迷わずはずすこと。
13.おいしいコーヒーの出来上がり。
ペーパーフィルターは、あまり目の詰まっていないヨーロピアン・タイプと、目が詰まり気味のレギュラー・タイプの2種類があり、目の詰まり具合によってコーヒーの通過スピードが変わってきます。
また、サイフォン社のコーノ式やハリオ社の製品等で「円錐ドリップ」と呼ばれるものが普及しつつあります。これはペーパーフィルターを折ったときにその形が円錐形になるものを用いそれを円錐形のドリッパーにセットして使用するものです。
ペーパーをセットした際に円錐形のペーパーの先端がドリッパーの穴から少し飛び出すようになるのが特徴でこれにより抽出されたコーヒー液は直接ペーパーの先端部分から容器に落ちていきます、別名「一点抽出法」と呼ばれ、よりネルドリップに近い抽出様式になるように考案されたもので、同じ粗さのコーヒー粉を用いた場合メリタ式やカリタ式よりも湯の透過速度が速くなります。
その他、ペーパーフィルターを用いた抽出法として松屋式やコーヒーバネット等のらせん状の金属の枠にペーパーをセットして抽出する方法や、一旦必要量の湯とコーヒー粉を容器で混合し、浮いてくる灰汁をすくって取り除いた後に数分置き、それをペーパーで濾して飲むという浸漬式との組み合わせのような方法も存在しています。