コーヒーの淹れ方(カフェ・デン)
「カフェ・デン」とはベトナムコーヒーの総称です。ミルク入りのものを「カフェ・スノーン」、アイスコーヒーを「カフェ・スーダー」と言います。
ベトナム名物として日本国内でもすっかり定着したベトナムコーヒーです。
日本でもベトナムコーヒーのチェーン店「チュングエンコーヒー」がオープンして久しいですし、豆や器具なども入手しやすくなり、日常的にベトナムコーヒーを楽しむことができるようになってきました。
ベトナムでのコーヒーの歴史はフランス領インドシナの時代にさかのぼります。独特の金属フィルターもフランスからもたらされたものといわれています。
コーヒーの淹れ方(イブリック=トルコ式コーヒー)
「イブリック」とはトルコ式コーヒーをいれるときに使う、鋼や真銀製の小鍋のような、トルコ式コーヒー専用ポットの名称です。
長い柄がついていて、トルコでは「ジャズベ」とも呼んでいます。トルコ独特のコーヒーのいれ方で、コーヒーを煮出し、粉はドリップ式のように濾さずに、煮出した上澄みを飲みます。
高温かつ短時間で煮出すため、浅煎りや中煎りの豆では渋みが目立ちやすくなりますが、深煎りのコーヒー豆を用いると、すっきりした苦味を味わうことができます。
トルコでは、ヨーロッパでカフェが開かれるよりも1世紀近くも早くに、帝政オスマントルコ時代の1554年に、コンスタンチノープル(現在のイスタンブール)に初のカフェがオープンしています。
それまでは主として薬用に使用されていたコーヒーが、嗜好品としての地位を確立しました。
コーヒーの淹れ方(ダッチコーヒー)
水出しコーヒー(細かく挽いたコーヒーに水を滴下させ、長時間をかけて抽出したコーヒー)のことをオランダ人の(ダッチ)コーヒーと呼んでいます。
実は名前とは裏腹に、オランダで水出しコーヒーが愛飲されているというわけではないようで、ダッチコーヒーという名前は、オランダ植民地時代のインドネシアで考案されたことから来る名称です。
そのころのインドネシア産コーヒーはほとんどがロブスタ種だったため、通常のドリップ式で湯を用いて抽出したのでは苦味が強く出過ぎたため、なんとか美味しく飲めるようにと、水を使って長時間かけて抽出する水出し法が考えだされました。
現在のダッチコーヒーは、水の入ったタンクの下に深煎りのコーヒー粉をセットして、点滴のように一定のリズムでまんべんなく水を落とし、ゆっくりと時間をかけて抽出するものです。
コーヒーの淹れ方(サイフォン)
サイフォンによる抽出法は、バキューム法(真空ろ過法)といい、蒸気圧を利用してコーヒーを抽出するものです。ちょっと見たところ化学実験の器具のようですが、サイフォンは機能だけでなくインテリア素材として用いられることも多いようです。
19世紀の前半にイギリスで考案された、初のバキューム式とされるナビアー式サイフォンをはじめ、初期のサイフォンは2つのポットを左右に並べた形状でした。20世紀に入り、アメリカや日本で、現在普及しているような上下に分かれるタイプが考え出されました。
サイフォンによるコーヒー抽出のメカニズムは、下部のフラスコの水を沸騰させることにより、蒸気圧で湯がコーヒーの粉がある上部のロート部まで上昇していき、コーヒーの成分が湯に浸出されたところで、火をはずして温度を下げることにより圧力を低下させ、コーヒー液を下に落とすというものです。
コーヒーの淹れ方(マシン式エスプレッソ)
家庭用のエスプレッソ・マシンは少々値がはりますが、一家に一台あるといつでも美味しいエスプレッソやカプチーノを楽しむことができます。ただし、使い方には少々コツが必要です。
エスプレッソとは英語のエクスプレス(急行)と同じ意味のイタリア語です。
搾りだすという意味もあって、高温で蒸されたコーヒー豆から、急激に搾り出されるエスプレッソの性質も含めて名付けられています。
深いコクと、芳醇な香りといった強い特徴を持つエスプレッソの抽出の原理は、どのようにして強い圧力を加えて、勢いよく粉をこすかがポイントで、エスプレッソマシンの発達の歴史もその原理の追求から始まっています。
高性能のマシンを使ったとしても、その使い方次第では味が充分引き出せません。やはり本場イタリア製が優れているようです。
コーヒーの淹れ方(直火式エスプレッソ)
高価で場所ふさぎなエスプレッソ・マシンを使わなくても、新鮮でローストが適切にされた珈琲豆さえあれば、自宅でもエスプレッソコーヒーを簡単な器具で淹れることができます。
イタリアの一般家庭で「モカ」という愛称で呼ばれている、直火式エスプレッソの器具を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
モカの構造は単純なもので、2層に分かれたフラスコ部と上部のポットの間にフィルターがあり、フラスコ部で沸いた湯がフィルターのバスケット部に入れたコーヒー粉を通過して上部のポットに噴き出してくるという仕掛けです。
業務用のエスプレッソ・マシンのように蒸気によって瞬時に淹れられるというわけにはいきませんが、取扱いになれてくると街で飲むエスプレッソ・コーヒーなみの味で淹れられるようになるでしょう。
フィルター部は金属製なので、きちんと洗いさえすれば、何回でも使えて交換の必要もありません。
コーヒーの淹れ方(パーコレーター)
パーコレーターは、アメリカ西部開拓時代に、アメリカンコーヒーとともに普及した循環式のコーヒー抽出器具です。現在でもアメリカの家庭では広く使われています。
ポットに水を入れ、付属のバスケットにコーヒーを入れて火にかけると、蒸気圧の力で湯がバスケット中央のパイプを上っていき、粉に浸透して落ちるというのが基本的なメカニズムなので、意外ですが基本的な原理はサイフォンと同じです。
パーコレーターは、大変シンプルな道具なのでアウトドアシーンで使われることが多く、昔の西部劇映画の焚き火のシーンなどが頭に思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。
現在、私たちが「アメリカン」と呼ぶコーヒーは、薄いコーヒーという意味合いが強くなってしまっていますが、伝統的なアメリカンコーヒーとは、浅く煎った豆を粗く挽いて抽出したもののことを言います。
アメリカ大陸を東部から西海岸まで横断する長期間の保存性と、豆の歩留まりのよさから浅煎り豆を使用するようになり、グラインドは湯が循環するパーコレーターの仕組みに応じて荒挽きを採用しています。
アウトドアで、浅く煎った荒挽きのアメリカンタイプの豆をパーコレーターで淹れると、ちょっとしたカウボーイ気分(アウトロー気分?)にひたることもできるかもしれません。
コーヒーの淹れ方(ペーパードリップ)
日本で最も普及していると思われる淹れ方です。抽出方法としてはきわめて合理的で衛生的な方法です。使用する器具もドリッパー・ペーパーフィルター・サーバー・ポット・メジャースプーンと少なくてすみます。
ドリッパ(一種の漏斗)にペーパーフィルタをセットし、粉を入れ適量の湯を注ぎ、30秒程度蒸らした後に抽出を開始します。
ドリッパの湯が完全に切れる前に外すと雑味の無いコーヒーができあがります。
前述の手順さえ守れば誰でも一定水準のコーヒーが淹れられるのがこの方式の最大の利点といえるでしょう。
コーヒーの淹れ方(ネルドリップ)
綿フランネルを袋状にしたもので、コーヒーの粉を漉すことによりコーヒー液を抽出する方法です。
ネルドリップは、ドリップする方法の中でも特に通好みとされています。
手入れは少し面倒ですが、ネル袋は使い込むうちにしっくりとなじんでくるので、手作り感覚満点のコーヒーが味わえます。
市販のネル袋は2枚はぎのものが多いようですが、3枚、4枚はぎの製品もあり、はぎの枚数が多い方が真円に近くなるため、コーヒーの抽出には理想的だと考えられています。近年、ドリップペーパーにもピラミッドフィルターという円錐形の商品が登場していますが、この理想に近づくために考案されたものです。
また、ネルドリップでは、外側がプラスチックや陶器で覆われたペーパードリップと異なり、湯が布にしみこむロス分を考慮して、1~2割湯の分量を増やす必要があります。
コーヒーの淹れ方案内
焙煎されてグラインドされたコーヒーの粉は、湯または水に接触させることで粉中の成分を抽出し、私たちが口にする飲み物としてのコーヒーが出来上がります。
このときの抽出方法、すなわちコーヒーの淹れ方には様々な方法が存在しています。コーヒー専用の抽出器具が数多く考案されていて、それぞれの淹れ方は用いる器具の名前で呼ばれることが多いようです。